慢性腰痛、脳歯科で治る!?

以下、日本経済新聞、文面に書いてあるように慢性痛の原因である脳の「誤作動」を治すのが脳歯科です。

 

口腔内の慢性的なストレス(歯列不正、形態異常歯、補綴物、不良金属、虫歯、歯周病、etc)が、脳の誤作動を引き起こしていることが、多々あります。

歯牙を刺激することにより、三叉神経を通じ、脳へダイレクトに正しい指令を送ります。そして、脳の誤作動を是正するのです。

結果、慢性腰痛、膝関節、肩関節...の痛みが緩解していきます。

 

慢性腰痛、脳歯科で治る!?


慢性痛、 原因は脳の「誤作動」 学び直しで治療

(日本経済新聞 20237月23日)

国民の2割が抱えるともいわれる慢性的な体の痛み。つらさを人に分かってもらえず、原因も分からない。そんな悩みが脳科学などの発展で解消するかもしれない。痛みのもとには危険を感じたり、繰り返しから学んだりする脳の賢さや柔軟さが関係する。脳の「学び直し」が治療の鍵を握るケースもあるようだ。

 

痛みは生物にとって命を守る大事なセンサーでもある。トゲなどをすぐに感じなければ、体を傷つけてしまいかねない。痛みなどのセンサーを発見した研究成果は、2021年のノーベル生理学・医学賞の受賞テーマにもなった。

生物の痛みの起源は古く、体を傷つけられたことを感じる痛覚は、5億年以上前に進化したともいわれる。例えば、タコの実験報告では、体を傷つける有害な薬品を注射されると、その後、注射を受けた部屋を避けるように動いたことなどから、痛みを感じていると考えられている。

英国の専門家チームが21年にまとめた調査報告では、イカやロブスター、カニなども苦痛を感じている証拠があるとしている。動物愛護の観点から、調理で生きたままゆでたり、切断したりしないことを推奨している。

慢性痛についても、ハエで確認したという報告がある。こうした生物は意思表示が分かりにくく確認が難しいが、人間同士でも他人の痛みの強さは分からない。治療現場では自己申告に頼っている。子どもや障害者のように感じていることを伝えるのが難しい人もいる。麻酔や薬で痛み止めをする際に必要以上に投与するリスクがある。

人の脳波から痛みの強さを測れないか――。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校などの研究チームは脳に電極を付けることで実現してみせた。

 

 

痛みは生物にとって命を守る大事なセンサーでもある。トゲなどをすぐに感じなければ、体を傷つけてしまいかねない。痛みなどのセンサーを発見した研究成果は、2021年のノーベル生理学・医学賞の受賞テーマにもなった。

生物の痛みの起源は古く、体を傷つけられたことを感じる痛覚は、5億年以上前に進化したともいわれる。例えば、タコの実験報告では、体を傷つける有害な薬品を注射されると、その後、注射を受けた部屋を避けるように動いたことなどから、痛みを感じていると考えられている。

英国の専門家チームが21年にまとめた調査報告では、イカやロブスター、カニなども苦痛を感じている証拠があるとしている。動物愛護の観点から、調理で生きたままゆでたり、切断したりしないことを推奨している。

慢性痛についても、ハエで確認したという報告がある。こうした生物は意思表示が分かりにくく確認が難しいが、人間同士でも他人の痛みの強さは分からない。治療現場では自己申告に頼っている。子どもや障害者のように感じていることを伝えるのが難しい人もいる。麻酔や薬で痛み止めをする際に必要以上に投与するリスクがある。

人の脳波から痛みの強さを測れないか――。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校などの研究チームは脳に電極を付けることで実現してみせた。

 

 

23年5月に論文発表した研究では、慢性痛を抱える患者の脳に電極を埋め込み、毎日、痛みの強さに関するアンケートに答えることを36カ月続けた。脳波データと回答結果を人工知能(AI)の手法で解析し、脳波からそれぞれの人の痛みが測れるようになったという。

分析してみると、痛むときの脳の働き方には特徴があった。同大学のプラサド・シルバルカー博士は「慢性痛は急性痛とは根本的に脳内の回路が異なる」と指摘する。慢性痛は急性痛が長引いているというものではなく、脳の異なる部分が関わっているという。

脳波で痛みを測る研究を手掛ける大阪大学の中江文招へい教授も「(慢性痛と急性痛で)傾向は違いそうだ」とみる。体を傷つけず、額に貼るだけの装置で痛みの計測を実現しようとしている。

 

 

大阪大学でも痛みを脳波から計測する研究が進む=大阪大学提供

慢性痛は一般に3カ月以上続いたり、再発したりする痛みをいう。痛みというと体が傷ついたり、神経が痛んだりしたことで生じると思ってしまうが、そうした原因が見つからないのに痛む「第3の痛み」というものもある。不安や怒り、不満、うつなどを高頻度で併発しており、心の問題との関係もあるといわれている。

こうした痛みには脳が大きく関わっている。脳は巨大なネットワークで、環境に適応する柔軟さがある。そのおかげで学習や記憶ができる。

だがストレスなどで体の危険を感じると、それを痛みに変換して警告する「誤作動」をすることがあり、これが慢性痛を引き起こすことがある。痛みが恐怖を引き起こし、恐怖が脳を警戒させて、さらに痛みを引き起こす悪循環にもなりかねない。

治療にも脳の柔軟さを生かせるのではないか。慢性痛を「教育」で治そうという新たな治療法もある。「体のどこかを傷めているわけではなく、痛みは中枢神経によるもので、脳のネットワークには働き方を変えられる『可塑性』がある」といったことを患者に伝えていく。痛みに対する理解を深め、脳の誤作動を抑えていくわけだ。

「痛みは脳の回路病」と生理学研究所の鍋倉淳一所長は言う。回路には環境に合わせて組み変わる柔軟さがある。これを弱みではなく強みとしたとき、新たな治療の道が見えてくるのだろう。(サイエンスエディター 松田省吾)

3の痛み

体や神経に明確な原因がないにもかかわらず生じる痛み。脳の神経回路の変化が関わるとみられている。国際疼痛学会が2017年に「痛覚変調性疼痛」と呼ぶことを決めた。体の損傷で起きる「侵害受容性疼痛」、神経の障害で起きる「神経障害性疼痛」と区別し、痛みを3つの分類にまとめた。国内でも21年に関連の学会が用語を定めた。
患者の性格、人生経験、ストレスなどとの関係も指摘される。現状では明確な治療ガイドラインはない。関連が指摘される病気には、激痛で日常生活に支障がでる線維筋痛症や慢性腰痛などがある。

(引用元:日本経済新聞 2023年7月23日分)